これ一つで足りる——読み上げ・辞書引き・クラウド同期がそろった無料 EPUB リーダー「NovelGlide」
EPUB を本気で読んでいると、気づけばアプリだらけになっていませんか。本を読むためのアプリ、通勤中に聴くための読み上げアプリ、単語をコピペして調べる辞書アプリ、そしてファイルを置いておくクラウドフォルダ——ひとつひとつは悪くないのに、まとめると散らかります。ハイライトはこっち、続きを読む位置はあっち、本の半分は違う端末に入ったまま、という状態です。
このブログでは、それを全部ひとつのアプリでやってしまう方法を紹介します。NovelGlide は無料の EPUB リーダーで、本を声に出して読み上げてくれて、タップした単語をその場で調べられて、ライブラリと読書の進み具合を自分の Google Drive にバックアップ——サインインしたすべての端末で同期されます。App Store と Google Play で無料配信中です。広告なし、アカウント登録不要、サブスクリプションでもありません。
以下では、「オールインワン」を名乗るリーダーに本来求められる条件と、NovelGlide が実際にそれぞれをどうカバーしているかを、誇張抜きで——足りない部分も含めて——紹介します。
「オールインワン」の EPUB リーダーに求められる条件
機能紹介の前に、どんなリーダーにも当てはめてほしいチェックリストを挙げておきます。
- 課金なしで読み上げてくれる——数分で打ち切られたり、月額課金の裏に隠れていたりしない読み上げ機能。
- その場で単語を調べられる——コピペして貼り付ける別アプリではなく、タップするだけの内蔵辞書。
- デバイスをまたいで続きが読める——スマホで始めて、タブレットで続きを読んでも、ハイライトはそのまま。
- 読んでいる場所ならどこでも使える——一部の端末だけの対応で終わらない。
- こちらを尊重してくれる——広告なし、トラッキングなし、登録の強制なし。
たいていのアプリは、このうち一つか二つを満たすだけです。オールインワンアプリの価値は、これらが重なり合うところにあります。
声に出して読み上げてくれる——無料、時間制限なし
読み上げ(TTS)は、多くの人が別アプリ——たいてい有料の——を足して補っている機能です。NovelGlide はこれを最初から内蔵しています。EPUB を開いて読み上げを始めれば、端末に入っている音声でそのまま本を読んでくれます。
単体の TTS アプリがよく間違えるポイントが二つあります。
- 分数制限もサブスクリプションもありません。 Speechify や ReadLoudly のようなアプリは、無料で聴ける時間を数分に制限したり、月額課金にしたりします。NovelGlide の読み上げは、無料のリーダーにそのまま含まれています。
- 手放しで、最後まで読み続けてくれます。 読み上げを始めると、あとは自動でページをめくり、章から章へと進みながら、本の最後まで読み続けます。読み上げ速度や声も自分で選べます。
音声は端末の OS に入っている読み上げ音声をそのまま使うので、音質は端末次第です。ただ、支払うものも、追加でインストールするものもありません。
単語をタップすれば意味がわかる——中国語・日本語専用の内蔵辞書
ここは、煽るより正直に書いておきたいところです。NovelGlide のタップ辞書は中国語・日本語を読むために作られたもので、英単語用の辞書ではありません。
具体的には、読んでいる途中で単語をタップすると、次の辞書を引けます。
- 繁体字中国語——台湾の教育部(日本の文部科学省にあたる機関)の辞書がもとになっていて、**注音(ㄅㄆㄇㄈ)**の読みつきです。
- 簡体字中国語——CC-CEDICT を使用、ピンインつきです。
- 日本語——JMdict を使用。
語釈(意味の説明)は中国語・日本語・英語のいずれかで表示できます。たとえば中国語の小説を日本語で読み解きたい人なら、単語をタップして日本語の語釈を確認できるということです。日本語の小説を読んでいて見慣れない言葉に出会ったときも、タップするだけで JMdict の語釈がその場で表示されます。逆に、英単語をタップして英語の意味を調べる、ということはできません——引ける言語は中国語と日本語だけです。
実際の小説を読みながら中国語や日本語を学んでいる人にとっては、これが別アプリを丸ごと置き換えてくれる機能です。別の辞書アプリにコピペする必要もなく、読書の流れも途切れません。とくに繁体字中国語については、教育部+注音のデータをここまでちゃんと組み込んでいる EPUB リーダーはほとんどありません。
自分の Google Drive にバックアップされるライブラリ
クラウド同期というと、たいてい自分のライブラリを誰かの囲い込まれた場所に預けることになりがちです。NovelGlide はそうではなく、自分自身の Google Drive アカウント、つまり自分のストレージにすべてをバックアップします。Google アカウントでサインインすれば、それは自分のものであって、NovelGlide 側のものではありません。
実際に端末間で同期されるのは、次のものです。
- 本そのもの(EPUB ファイル、表紙、メタデータ)
- 読書位置——別の端末でも、読んでいたところからそのまま続きが読めます
- ハイライトとしおり
- コレクション(ライブラリの整理の仕方)
正直に言っておくと、これらの一部は Drive の中でも非表示になっている「アプリデータ」領域に保存されます。つまり「Google Drive のストレージにバックアップされている」のであって、「Drive アプリで見て回れる EPUB フォルダ」ではありません。得られるのはデバイス間の連続性と、自分でコントロールできるバックアップであって、ファイル管理機能ではないということです。テーマやフォントといったアプリ全体の設定は、今のところ端末ごとの設定になっていて、同期の対象外です。
デバイスをまたいでも変わらない読書体験
NovelGlide は現在、iPhone・iPad と Android に対応していて、App Store と Google Play で無料配信中です。
前のセクションで紹介した同期が意味を持つのは、まさにこのためです。朝、家を出る前にスマホで章を読み始めて、帰ってきてソファでタブレットを開けば、読んでいた位置もハイライトもライブラリも、すでにそこにあります。一つのアプリなので、どちらの端末で開いても同じ読書体験になります。
保存するだけじゃない、ちゃんと読むためのリーダー
オールインワンのアプリでも、根本は_良いリーダー_である必要があります。NovelGlide はきちんとした書籍の組版で読めるので、HTML をそのまま流し込んだだけの表示にはなりません。
- ページめくり方式の表示で、タイポグラフィは調整可能。自動ハイフネーション(英語・ドイツ語・フランス語・オランダ語・スペイン語)もオン・オフを切り替えられ、両端揃えのテキストがきれいに整います。
- 縦書き(vertical-rl)にもきちんと対応しています。日本語の EPUB では本来とても大事な部分なのに、対応が甘いリーダーは少なくありません。
- ハイライトと注釈——追加、編集、あとから見返すことができます。
- 本全体の検索——今開いている章だけでなく、本全体からフレーズを探せます。
無料・広告なし・アカウント不要——プライバシーも重視
NovelGlide は無料で、広告は一切表示されず、読むだけならアカウントも必要ありません。運営を支えているのは任意の投げ銭(チップ)——応援したい人が一度だけ贈る形で、サブスクリプションではなく、注意を広告主に売る仕組みでもありません。
広告ビジネスの裏がないということは、読書データを集め回る理由もないということです。自分が何を読んでいるかをマネタイズしようとしないリーダーを探していたなら、それがこのアプリの設計の出発点です。
とくにおすすめしたい人
- アプリを何個も使い分けるのに疲れた人——リーダー+読み上げアプリ+辞書アプリ+クラウドフォルダの代わりに、これ一つで済みます。
- 実際の小説を読みながら中国語・日本語を学んでいる人——注音・ピンインつきで、タップした瞬間に意味がわかります。
- スマホとタブレットを使い分けて読む人——スマホで読み始めて、タブレットで続きを読む人。
- プライバシーを大事にしたい人——広告なし、登録の強制なしを求める人。
はじめかた
- NovelGlide を無料でインストールします——App Store(iPhone・iPad)または Google Play(Android)から。
- EPUB を追加します(自分が持っている DRM フリーのファイルで大丈夫です。こちらから何かを買う必要はありません)。
- 読み始めます。読み上げボタンをタップすれば朗読が始まり、中国語・日本語の単語をタップすれば意味が調べられます。ライブラリをバックアップ・同期したい場合は、Google でサインインしてください。
NovelGlide を入手する:App Store ・ Google Play
FAQ
NovelGlide は本当に無料ですか?
はい。無料で、広告もサブスクリプションもありません。応援したい場合のための、任意の一回限りの投げ銭機能があります。
読み上げ機能は追加料金がかかったり、時間制限があったりしますか?
いいえ。読み上げは無料のアプリにそのまま含まれていて、分数の制限もありません。端末に入っている音声を使い、読み上げを始めると自動でページをめくりながら最後まで読み続けます。
英単語を調べることはできますか?
引ける言語としては対応していません。タップ辞書で調べられるのは繁体字中国語(注音つき)、簡体字中国語(ピンインつき)、日本語の三つです。語釈の表示言語には日本語も選べるので、たとえば中国語の小説を日本語で読み解きたい人には向いています。
同期した本はどこに保存されますか?
自分自身の Google Drive アカウント・ストレージに保存されます(一部は Drive の中でも非表示のアプリデータ領域)。誰かのサーバーにあるファイルではなく、自分でコントロールできるバックアップという位置づけです。本・読書位置・ハイライト・しおり・コレクションは同期されますが、端末ごとの設定は同期されません。
どの端末で使えますか?
現在は iPhone、iPad、Android に対応しています。App Store と Google Play のどちらでも無料です。
読むだけならアカウントは必要ですか?
必要ありません。アカウント(Google サインイン)が必要になるのは、クラウドバックアップや端末間の同期を使いたいときだけです。